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飛躍への挑戦眞砂和典 卒業生にとって母校はいつ帰ってきても変わらない存在というのがよくある話だ。特に私学は教職員が長く勤める学校ほどいい学校であるという見方もある。確かに近頃の公立学校は10年経たないうちにすべての教員が入れ替わっていて、卒業生にとっては訪問の魅力に欠けているように思う。ただし、継続が停滞にならないようにするには不断の努力と挑戦が必要だ。 私達の学校が20周年を迎えた2年前に「SENRI整頓」という企画が生徒の手によって催された。初代校長の藤澤先生を囲んでパネルディスカションをした時に開校から20年変わらないものは何かという話が出た。その答の一つに「この学校は変わり続けているところが変わらない。」という禅問答のような発言もあった。 私達の学校で成長してきた生徒達がここで蓄えた推進力によって卒業後に人として更に伸びてゆくように、本校にも学校として大きな飛躍の機会が巡ってきている。 ◇ IB(International Baccalaureate:国際バカロレア)研究校 IBについて文部科学省のホ-ムページには次のように書かれている。 『IBのカリキュラムは、思考力・判断力・表現力等の育成をはじめ日本の学習指導要領が目指す「生きる力」をつけるという点でも優れています。また、課題発見・解決能力や論理的思考力、コミュニケーション能力等これからの世界で重要となる能力・スキルの確実な修得に資するものです。』 昨年11月に関西学院千里国際(SIS)高等部が「国際バカロレアの趣旨を踏まえた教育の推進に関する調査研究」の指定校に採択された。昨年9月、この申請のための説明会には北海道から沖縄まで80ほどの学校が集まっていた。日本にIB校を200校つくるという政府の壮大な目標の掛け声がゆっくりではあるが浸透しつつあることが感じられた。数年前までは一部の学校関係者にしかなかったIBへの関心が広がり始めてはいるが、実際に何かをしてみようと計画を立てて申請したのは15校であった。そのうちの5校が選ばれて研究校となった。 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoiku_kenkyu/1328711.htm そして昨年11月末から2年半に及ぶIB研究が始まった。SISの取り組むふたつの研究①と②について説明しよう。 ① IB教育を実施しているインターナショナルスクールでの教育活動を踏まえた、学習指導要領に則った授業へのIB教授法導入の有用性についての調査研究 併設するOsaka International School of Kwansei Gakuin (OIS)は日本で初めてIBの全プログラムを導入した学校だ。IBディプロマ(IBDP: 国際的に認められている大学入学資格)に関しては開校以来155名の生徒が取得しており、96.1%の取得率を記録している。私達の学校の成り立ちからして当然のことだが、OIS からIBについて学ぶというのは開校当初から行っている。内部の研修も行ってきたが、一度外に出て、IB機構が主催するワークショップに参加したり、他のIB校を訪問したりすることによる多角的な研究も始まった。これまではなかった日本語でのIBの正式なワークショップが東京で開かれ、今回の研究校をはじめ多くの教職員、校長・教頭、教育委員会職員がIBの入門編から学び始めた。SISからも5名が全行程3日間参加し、IB Training Certificate を取得した。このような企画ができたこと自体、日本の教育にも変化の兆しを見ることができる。これからの研修はOISも一緒に行い、各教科の授業の改善にIBの手法を持ち込むのがこの研究の主たる目的となる。これは全校生徒に対してこれまで私達が行ってきた教育を更に進化したものとして還元する取り組みだ。 ② 一条校の生徒としてIBDPを取得するために乗り越えるべき諸条件に関する調査研究 こちらはOISが現在Grade11と12(高校2、3年生)に行っているIBディプロマを取得するための授業を学習指導要領(学校教育法の第一条に定められた学校が従うべき教育内容を示した)と比較調整する研究となる。今でも美術、音楽やOIS English 、IB Historyなどが共有されてSIS の単位と認められているように、その他のIBDPの授業についても広げていきたい。今回の採択と同時に特例校申請が承認されたのは大きな前進だ。1月に訪問した静岡の加藤学園暁秀高等学校・中学校は日本で初めてIBを導入した一条校であるが、ここも特例校申請によってこのプログラムを動かしている。 SISの10年、9年の英語ネイティブに近い生徒にIBのフルディプロマを取る可能性が出てきたということになる。学費設定は2倍くらいになってしまうが、この研究をともに進めてくださる気持ちのあるご家庭、生徒の皆さんとは近いうちに話し合いを始めていきたいと思う。いろいろな困難を乗り越えるべく、これを一緒に取り組んでくださる方は是非、声をかけていただきたい。 更に、日本語を使ったIB科目がいくつか取り入れられる予定の何年か後には拡大しながら次の段階へ進んでいくだろう。 ◇ 関西学院大学が「グローバル人材育成推進事業」に採択 文部科学省国際化拠点整備事業費補助金は上記のIB研究校と比べて財政支援額が2桁多く、毎年数億円が最長5年間続くそうだ。全学推進型のタイプAでは申請した41大学から11大学(国公立大5校、私大6校)が国内の大学のグローバル化を先導する大学として選ばれた。関西では同志社大と関西学院大のみとなった。 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/09/1326068.htm 関西学院大学の取り組みは「実践型“世界市民”育成プログラム」と命名され、グローバル リーダーコース、エキスパートコース、シティズンコースと3段階で国際性強化のプログラムを実施することになる。 http://kgglobal.kwansei.ac.jp/ 内部進学する我々の生徒達がこれらのコースで重要な役割をはたしてゆくことは間違いない。この素晴らしい機会を得て卒業生達と関西学院大学が世界でも有数の学問の府へと登っていくことを期待する。 スクールライフ 最新項目
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