Super Global HS

スーパーグローバルハイスクールについて

関西学院千里国際中等部・高等部では学校理念「知識と思いやりを持ち、創造力を駆使して世界に貢献する個人」を胸に、1991年の開校以来教育活動を行ってきました。 2015年より文部科学省のスーパーグローバルハイスクールの指定を受け、本校のSGHテーマ「高い国際通用性を有するレジリエンスに富むグローバルリーダー育成」に取り組むため、既存の取り組みを更に深める新体制が始まりました。

文部科学省SGHの目的

急速にグローバル化が加速する現状を踏まえ、社会問題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的素養を身につけ、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーを高等学校段階から育成する。

高い国際通用性を有するレジリエンスに富むグローバルリーダー育成

Educating resilient internationally-competent leaders for an increasingly globalized society

レジリエンスに富むグローバルリーダー育成のための4つの重点的スキル

自己自身への深い理解

 

Identity Awareness

他者との確かな関係を築く

コミュニケーション

Communication Building

課題・状況を肯定的に

とらえて未来を展望する力

Perspective

問題解決に真摯に

取り組む姿勢 

Solution

本校のSGHプログラムの二つの大きな柱

1.課題研究

創立以来展開してきた探究型学習の進化形と言える「知の探究」「リサーチとフィールドスタディ」の授業を新たに設け、「スーパーグローバル大学創成支援」に採択された関西学院大学との高大連携、国内外フィールドスタディなどを通じて課題研究を進め、その成果を研究論文にまとめ発表するプログラムを開発・実践する。

2.国際バカロレアプログラムの拡大

文部科学省委託「国際バカロレアの趣旨を踏まえた教育の推進に関する調査研究」における本校の成果を踏まえつつ、世界水準の学びとして日本語DPによるIBディプロマ及びサーティフィケート取得を中心とした教育プログラム、日本語によるIBDP授業開講を開発・実践する。

課題研究のテーマ:

「統一性と多様性“Unity in Diversity, Diversity in Unity”」の尊重や多文化共生の考え方を基盤としたアプローチを通じ、「よりよい・より平和な地球社会の建設に貢献する」を総合課題とし、以下の3つの分野から選ぶ。

①より平和な国際社会の建設

②よりよい地球環境の創出

③よりよい・より平和な異文化間コミュニケ‐ション

その他の開発内容:

  • 国際バカロレアのTheory of Knowledge, Extended Essay, CASを研究しその要素を取り入れる。
  • 情報に関する基礎知識・モラルについての指導体制を整備し、日本語と英語による「SIS Academic Honesty」(校内共通ガイドライン)を策定する。
  • 関西学院大学総合政策学部との高大連携
  • ドイツの姉妹校との共同プロジェクト開発

SOISリサーチコミュニティ

SGHは一条校であるSISの活動だが、探究型学習に取り組むSIS・OIS両校の教員・生徒が学びあい、より良い学習環境や社会を構築していくコミュニティ。「先生に教わる」ことに加えて、探究した成果を「学びあう」ことを実践する。論文と同時に作成することになっているポスターの発表が、下級生の刺激になっており、アカデミックな縦のつながりを育んでいる。プレゼンテーション大会(年に一度開催、写真)

【SGHコア科目:10年生】知の探究2016

週一時間通年の授業(総合科目1単位)。

担当教員

各教科の学習・探究活動を結び付ける教科横断型の授業を行うため、複数の教科の教員でカリキュラム設計・運営を行っている。常時4名で運営。津髙(SGH)、Ray(英語)、佐尾(国語)、合志(情報) (秋・冬学期)、小中(国語) (春学期のみ)

目的

レジリエンスに富むグローバルリーダー育成を目指し、レジリエンスを自覚的に強められる素地を形成し、高校3年間楽しく実り多い探究学習ができるためのスキルとマインドを養う。

通年目標

11年生時にフィールドスタディに参加するために必要なスキルを習得する。フィールドスタディを選択するために自身の興味関心に自覚的になる。

2016年度の活動

1学期目は、SGHの課題研究で必要な、研究の基礎的知識やスキル構築、校内でインタビューの実践(写真)、インタビュー結果に基づいた対策の立案、グループ発表を日英で行った(写真)。2、3学期は11年時に参加するフィールドスタディを選択する為の知識を得ながら、関西学院大学のゲストの講義も受け、研究に必要な基礎知識やスキル構築を行った。

2016年度 SGHフィールドスタディ 一覧:

【SGHコア科目:11年生】リサーチとフィールドスタディ2016

週3時間、1学期完結の授業(総合科目1単位)。

担当教員

津髙(SGH)、青山(総合)、井藤(校長、英語)

目標

8つのグループに分かれて行ったフィールドスタディから得た刺激・感動・混乱を振り返り、リサーチクエスチョンの練り直し、資料の探し方の習得、情報カード作成等を経て、8000字初稿とA0ポスターを仕上げる。

【SGHコア科目:11年生】課題研究論文2016

「リサーチとフィールドスタディ」を履修直後に履修する1学期完結の科目。

担当教員

津髙(SGH)、青山(総合)、井藤(校長、英語)

目標

自身で研究・論文を完成させる力を養い、自身の決めたテーマについて自律的に学ぶ力を育てながら、最終稿、最終版のA0ポスター、日英2言語で要旨を完成させる。

個人ワークとグループワークのミックス

各自初稿が出来上がったのちは、授業担当教員とともにメンター教員を活用し、自身の手で最終原稿を完成させていく。そのプロセスを支えていくために、ペースメーカーとして、週一時間の課題研究のオフィスアワーを活用したり、個人で集中する時間として活用する生徒もいる。個人ワークに偏りがちな研究プロセスにおいて、違うテーマについて研究しているクラスメイトとのディスカッションやアドバイスを与え合う機会の有用性に気付かせるために、時期をみてグループワークも取り入れている。

生徒の声

(研究プロセスでの発見を発表するグループワーク後の感想)「冬休みを使ってさらに文献を集める作業をしていたのはすごいと思いました。メンターとの時間も有効に使っていて私も具体的な質問などを用意していくべきだと思いました。」「やっているうちはすごく大変だと思うけど、実際に僕も論文を書いていてすごい悩まされることが多々ありますが、目的を達成することの喜びというものを大切にして何事も何事もあきらめずにがんばろうと思いました。小さなチャンスを無駄にしないこと!」

メンター制度2016

各回50分、4回を、上記リサーチとフィールドスタディ・課題研究論文履修の2学期間で受ける。

目標

論文を満足いく形で完成させるために、生徒が自身で選んだメンター教員からの支援を活用する。

担当教員と仕組み

個々のリサーチテーマに対応した支援を行うため、すべての常勤教員と有志の非常勤教員の協力を得て、各教員あたり平均3名の生徒を個別に指導する「メンター制度」を導入した。生徒は最大4回のメンタリングを受けられ、より踏み込んだ内容の相談ができるような体制を整えている。

教員の声

専門が生徒の研究テーマと合う教員「生徒はまだまだ学ぶべき事柄が多く、どこから指導していいか悩ましいこともあるが、生徒にとってのいい“教科書”に出会えるようガイドしている。」

専門が合わない教員「論理の一貫性や根拠の正確さについて重点的に確認している。専門と違う生徒にも、十分支援ができることは実感している。」

2016年度 年間活動カレンダー

スーパーグローバルハイスクール Q&A

[Q] SOIS広報誌生徒記者 [A]井藤眞由美SIS教頭(当時)

SISがスーパーグローバルハイスクールに選ばれたことの経緯を教えてください

A: みなさんは、SISがスーパーグローバルハイスクールになったと聞いて、どう思ったでしょうか。「なんだかわからないけど、とにかく誇らしいしうれしい!」という気持ちと同時に「え?スーパーグローバル?なんで今?」という思いも混じり合っていたのではないかと想像します。

SIS(とOIS)は、二つの学校がひとつになって教育活動を行うユニークなキャンパスとして、1980年代の文部省(当時)の「新国際学校構想」という提言のもとに作られ、1991年の創立以来(すでに!)「スーパー」に「グローバル」な教育スタイルを実践してきていますからね。

具体的には、アクティブラーニングと言われる、プレゼンテーションやディスカッション、ディベートなどを授業に多く取り入れ、リサーチの方法を学んで論文を書くということにも取り組んでいます。学外での活動にも国内・国外を問わず、各自が自分のペースで積極的に参加できるためのサポートがあります。OISと同じ時間割で動いていて通常の日本の学校に比べて夏休みが長いため、特に夏休みには多くの人が海外に出かけています。在籍中に一年間の留学に出る人もいますし、卒業後海外の大学に進学する人も初年度から変わらず毎年10%前後います。また、創立の時から、OISはIB(国際バカロレア)の学校ですから、一緒に学習活動をしているSISも創立時からずっとIBの理念に触れながら成長してきました。

このように設立の1991年からすでに、最近よく耳にする「21世紀型の学習スタイル」を進めてきたSISですが、20周年を経た数年前から、次に向かうべき方向性について学校としていろんなことを考えていました。今回文部科学省の「スーパーグローバルハイスクール」に申請するにあたり、それらのことを、そのまま企画書として提出しました。それが認められたというわけです。つまり、これまでの成果が評価されたと同時に、ここからさらに「グローバルハイスクール」度を高めるという方向性も認められたということです。

これから具体的にどんなことが行われるのですか?

A: もともと考えていた構想を文部科学省に提出したといいましたが、その中身は大きく二つあります。

I 自分で選んだテーマで研究・フィールドワークを行い、研究論文にまとめます

これは、全高校生を対象にしたものです。(現10年生から。現11・12年生には希望者のみ)

SISの高校生はすでに、自分で選んだテーマで論文を書くことができます。これまで10年生の比較文化の授業で全員の取り組みがあり、さらにその他の教科でも取り組んできました。12年生の冬学期には「シニアリサーチ」という授業もあります。ただ、これらの取り組み同士の繋がりや他の授業との関連、学外の活動とのつながりはシステムとしてはありませんでした(個人レベルで自主的にそのようなつながりを作っていた人はいますけれど)。今後は、各自が選んだテーマについて高校生活を通じて研究を深め、そのためのフィールドワークに参加することを学校としてサポートします。また、関西学院大学、特に総合政策学部との連携が強まり、大学の先生方の支援を受けることも可能になります。これらを進め深めるために「知の探究」(高校一年)・「リサーチとフィールドワーク」(高校二年春から三年春、どこかの学期に選択)が新設されますが、これら授業の詳細は別の場所でお話しすることにします。

各自が興味関心を持ったテーマについて深く広く時間をかけて探究し、それを卒業までに研究論文として学校に提出してもらいます。またその成果を発表する場も複数あります。これらを文部科学省の支援を得て学校がサポートします。

Ⅱ IB(国際バカロレア)の授業履修の可能性がひろがります

こちらは全員を対象にしたものではなく、希望する人のみを対象としています。

すでに2013年秋より、SISに在籍したままOISのIBディプロマプログラムに進むことができる制度ができました。現状ではディプロマの取得というのは英語がネイティブレベルであっても相当な難関コースということになります。今後は、このコースに進む人をよりしっかり支援すること、そして、ディプロマ取得は望まないが教科単位でIBの学びを体験したいという人にもそのチャンスを広げることができるように研究を進めます。

このひとつの形として、この秋から英語科ではIBのEnglish B(英語ネイティブではない人向け)というコースが新設されます。詳細はコースディスクリプションをよく読み、疑問点は英語科の先生に聞いてみてください。

今後も少しずつ可能性を広げていく予定です。現時点ではEnglish Bについて以外まだ詳しいことは伝えることができませんが、学校がこの方向に進んでいるということ、これはスーパーグローバルハイスクールとしての取り組みの二点目です。

先生の思うグローバルハイスクールとはどんな高校ですか?

A: さて最初に書いたことにもどりますが、スーパーグローバルハイスクールに指定されたと聞いて、「え?スーパーグローバル? SISはOISと一緒に学べる「すでに」グローバルな環境なのになぜ今?」と多くの人が感じたのは自然なことであると思います。確かに、SISは先進的な学びのスタイルは持っていると思います。ところでグローバルとは何でしょう。学びのスタイルの先には何があるべきでしょうか。

私は、「新」国際学校としてスタートしたSISが、25年目、今やすっかり「真」の国際学校となって次にめざすべきは、この恵まれた環境での学びを、きっと「世界のどこかでだれかの役に立つ」ことに結び付けるのだという強い意志をもって学んでいく高校生たちの学校になることだと思っています。

もちろん、今でもSISには他の人のために一生懸命頑張る人、ボランティア活動に熱心な人が多く、そのことを誇りに思っています。そもそも、SOISのミッションである Informed, caring, creative individuals contributing to a global community (知識と思いやりを持ち、創造力を駆使して世界に貢献する個人)にも、関西学院のモットーである Mastery for serviceにもこのことははっきりと示されていますから、何も新しいことではありません。決して新しいことではないけれど、私たちにとっての「グローバルハイスクール」の意味するところ、これから目指すもの、「アクティブラーニング」「語学力」「ICT」などの先にあるべきものは、「本気の貢献」であるべきと考えています。「世界のどこかでだれかの役に立つ」という取り組みにみんなも賛同してくれることと信じています。

に書いたI 自分で選んだテーマで研究・フィールドワークを行い、研究論文にまとめます での各自の課題研究のテーマは、以下のように、総合課題のもと三つの分野を視野に入れて決めていくこととしました。

総合課題:よりよい・より平和な地球社会の建設に貢献する

分野:1.より平和な国際社会の建設 2.よりよい地球環境の創出 3.よりよい・より平和な異文化間コミュニケーションのあり方の模索。

「高い国際通用性を有するレジリエンスに富むグローバルリーダー育成」とは?

A: これは、今回の構想名ですね。文部科学省に35文字以内での規制の下提出した構想名なので、ちょっと堅苦しい響きですね。このなかで使っている「レジリエンスResilience」とは、「逆境力」や「折れない心」などと訳されることが多いことばですが、ここでは「他者と協働して粘り強く課題解決に導く力」と定義づけました。

自分の研究課題を見つける作業には自分自身への理解を深めるという過程があり、研究を進めるうえでは、仲間との切磋琢磨、大学の先生方などとの交流など、新たなコミュニケーション力が求められます。粘り強さも必要です。そしてなによりも、「世界のどこかのだれかの役に立つ」ぞ!と本気で貢献について考える過程も心のばねに大きな刺激をあたえてくれることでしょう。スーパーグローバルハイスクールとしての取り組みはきっとSIS高校生のレジリエンスの豊かさにもつながるだろうとの思いがこの構想名に込められています。

スーパーグローバルハイスクールに指定されたことにより、これまで以上に多様で豊かな学びの場、体験のチャンスを提供できる予定です。楽しみにしていてください。そして、繰り返しますが、この恵まれた環境での学びを、いつか世界のどこかでだれかの役に立てることについて、今まで以上に深く一緒に考えていきましょう