校長室

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本校ウェブサイトにようこそ

1991年に創立された本校(略称SIS)は、併設する大阪インターナショナルスクール(略称OIS)とともにその歴史を刻んでまいりました。

ひとつのキャンパスに帰国生徒・一般生徒・外国籍生徒がほぼ3分の1ずつの割合で在籍し、二つの学校が一体となって(Two Schools Together) 多文化教育を実践し、生徒一人ひとりの個性と才能を磨いています。

このキャンパスでは、「5つのリスペクト」という行動指針を尊重しながら自らの人間性をどのように高めるかについていつも考え、学び合っています。このような日々の学習と学校生活をとおして、"Informed, Caring, Creative Individuals Contributing to a Global Community(知識と思いやりをもち、創造力を駆使して世界に貢献する個人)"を育てることが学校の使命と考えています。

創立以来、IB認定校であるOISと共に歩むことにより国際教育を推進してきましたが、2010年に関西学院千里国際中等部・高等部として再スタートを切って以来、さらに新たな取り組みを加えています。2013年度より、国際バカロレア(IB)のフルディプロマ取得やIB英語のサーティフィケート取得が可能になりました。2015年度には文科省のスーパーグローバルハイスクールの指定を受け、大学との連携体制を強めて、以前から取り組んでいた探究型学びの集大成と言える高校生の課題研究・論文作成の体制を発展させています。

1991年、本校開校の原点には文部省(当時)の、「新国際学校構想」がありました。その構想の中で“21世紀の国際社会を見据えたパイオニア校”として、インターナショナルスクールと日本の学校が共に教育活動を行うこのキャンパスが生まれたのです。設立から25年を迎えた2016年に校長に就任した者の使命として、これまでの歴史と伝統、実践を振り返り、次の25年間も引き続き日本の教育界におけるパイオニア校として、「知識と思いやりを持ち、創造力を駆使して世界に貢献できる」世界市民を育てていきたいと考えています。

井藤眞由美

SIS 校長

 

校長プロフィール

大阪市で生まれ、幼稚園から大学まで地元大阪で学んだ後、大阪府立高校の英語教員に。10年間の勤務ののち、1992年~1998年の約6年間アメリカに滞在。シカゴとサンディエゴの二か所に暮らし、学生生活を送りつつ、三人の子供を現地幼稚園・小学校と補習校に通わせる。1998年San Diego State University大学院応用言語学[バイリンガリズム]Master’s Degree取得後帰国。2000年より本校英語科教員、2009年より教頭、2016年より現職。

Speeches and Articles

2017/4/4 2017年度入学式式辞

新入生、編入生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆さま、心よりお祝い申し上げます。

体育館いっぱいの大歓声で大歓迎を受けて皆さんは本日SISの一員となられました。今の気分はいかがでしょうか。SISの入学式はこんな雰囲気だよ、と聞いて知っていたつもりだけれど実際に今体験してみてびっくりしている、と感じている人もいるのではないでしょうか。

百聞は一見に如かず。Seeing is believing、何事もほんものを体験してこそです。テクノロジーが発展している今日、インターネットを使えば世界中のいろんな場所に行った気持ちになれるし、体験できた気がします。それは便利で素晴らしいことではありますが、でも本物と「ほんものみたい」とは違います。今日はこのほんもの=Authenticということについて一緒に考えましょう。

ほんものを体験すること=Authentic Opportunities これはSISの学びの特徴のひとつです。たとえば、今日、ストリングスの演奏に迎えられましたように、音楽の時間には本物の楽器を使って本物の演奏を学びます。英語などの語学の授業では本物の使える言語として学びます。理科では本物の実験器具を使っての実験が待っています。7年生から、大人と同じ本物のリサーチの仕方や発表の仕方を学びます。高校の課題研究では、いろいろな分野で活躍している本物の人物に会いに行ってインタビューをするという体験から本物の研究を行います。本格的なミュージカルを体験できる機会もあります。そして、すべての教科の授業で本物の学びを用意しています。ほんものの学びとはなんでしょう。SISでは自分の頭で考えて理解し、自分の意見を求められますし、人の意見もしっかり聞きます。議論もします。発表の機会もたくさんあります。もっと知りたい、もっと世界を広げたいと自分から学びにむかってもらいます。そんな本物の学びの機会が待っています。本物の学びを知っている人とは、学び方を知っている人、学ぶ楽しさを知っている人です。だから大人になっても学び続ける人であってほしい。そんな本物の学びに飛び込んでください。

ここで紹介したい英単語があります。Serendipityです。私自身は15年位前にこのタイトルの映画があり、その時に初めてこの単語に出会いました。英語教員ですが、その時私はこの単語を知りませんでした。辞書を引いてみると「素敵な偶然の出会い」とあり、たしかに映画は素敵な偶然の出会いの恋愛映画でした。正直、映画はあまり記憶に残っていないのですが、この言葉がその後ずっと気になりました。不思議なもので、気になると、いろんなところで出会うのです。心理学の本や、サイエンスの記事などです。そして、このセレンディピティという言葉の意味は最初に辞書で見たものよりも実はもっと深いのだということを知りました。「棚からぼた餅」のように向こうからやってくるただの偶然の現象ではなく、出会えることは能力なのだということを知りました。サイエンスの世界では「ニュートンが、りんごが木から落ちるのを目にして万有引力を発見した、そのひらめきの能力が、まさにセレンディピティだ」というように使われており、なるほどと思いますが、人や物との出会いも同じで、素敵な出会いができるのも、運命ではなくて能力だというのです。これを知ってから、能力であるならば努力で伸ばすことができるはずだと考えてきました。15年間考えた末私は、このセレンディピティーを高めるには何よりも本物にたくさん触れることが大切だと思っています。そして、目の前にあるチャンスに対して自分から行動を起こす気持ち、また、そこで遭遇する予想外のことや自分にとって異質と思えることも受け入れるという経験を積んで身に着く能力だと思っています。SISには目に見えるチャンスも見えないチャンスもたくさん用意されています。しっかりと本物をつかみ取って、セレンディピティを高めてもらいたいと思っています。

「ほんもの」についてもうひとつ話をします。皆さんを取り囲む旗を見てください。たくさんの旗の中で、ふたつある旗があります。国連の旗です。どうしてSISの入学式には国連の旗が、しかも二枚掲揚されているのでしょう。今日はこの入学式の前に、新入生と編入生のみなさんには、生徒宣誓の書類に署名をしてもらいました。このあと代表の人たちにこの場で複数の言語で宣誓を聞かせてもらえることを楽しみにしているのですが、このSISの生徒宣誓には、「世界人権宣言の精神を追求し」とあります。世界人権宣言は第二次世界大戦のすぐ後の1948年に国連で作られたものです。ました。戦争を反省し、世界の平和を願って作られました。SISは今日第27回目の入学式を挙行していますが、その第1回目から国連の旗を中心に掲げ、世界人権宣言を取り入れた宣誓を行ってきた学校です。世界人権宣言でも特に大切にしている第二条は、生徒ハンドブックにも掲載されています。

Everyone is entitled to all the rights and freedoms set forth in the Declaration, without distinction of any kind, such as race, colour, sex, language, religion, political or other opinion, national or social origin, property, birth or other status.

すべてのひとに権利と自由があり、その人がなに人か、肌がなにいろか、男か女か、どんな言葉を話すか、何を信じるか、何を言ったり言いたがっているか、世界のどこから来たか、金持ちか貧しいか、どんな生まれか、身分は何か、などのことで差別されない。

これは例えて言うならば、和菓子も好き、パンも好き、カステラもおいしい、トルティーヤもナンも、、、そこに優劣がないのはもちろんのこと、このような豊かで多様な文化に触れることを喜びだと感じとることのできる心で、地球の一員、世界市民として成長しましょうということです。SISは、自分の国や住んでいる国を大切にすると同時に、世界中がよりよく、より平和になることを大切に考える学校です。関西学院千里国際は、「本物の国際学校」です。

さあ明日から一緒に本物の国際学校で、本物の学びに取り組みましょう。セレンディピティを高めて素敵な人や物やチャンスに出会いましょう。

皆さんあらためてSISへようこそ。入学おめでとう。

2017年4月4日 SIS校長 井藤眞由美

2017/3/15 中等部卒業式式辞

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SIS中等部卒業生の皆さん卒業おめでとう。日本の義務教育を終えられました。保護者の皆様本日はまことにおめでとうございます。

体育館で、大歓声に迎えられた入学式から3年たちました。あの日のことおぼえていますか (その時まだSISにはいなかった人には、ごめんなさい、想像力を使って映像を浮かべてくださいね)。 皆さんを迎えてくれた校長先生は眞砂先生でした。生徒宣誓はなんと12言語で行われ、この学年の7年生からが8名がそれぞれの言語(日本語、フランス語、中国語、韓国語、アラビア語、イタリア語、ヘブライ語、ロシア語)で堂々と宣誓をしてくれたのが、この学年のSIS一日目でした。個人的にも、当時教頭としてみなさんとのかかわりの初日、とても印象的な入学式でした。あれから三年。立派になって中等部の卒業を迎えられました。

入学当初は、チャイムが鳴らない学校で次の授業の教室に行くのに必死だった人、迷子になっていた人もいましたね。音楽・体育・美術のシェアード授業でカルチャーショックを受けたり苦労したこと、今では嘘のようでしょう。3年前の入学式で、高等部の生徒会長だったリオン君が、スピーチの前半を英語で語り、今僕が行ったことわからなかった人も心配しないで、すぐにわかるようになるよ、と言ってくれていましたが、今ならノープロムレムですよね。

SIS中等部でのみなさんの成長の基盤には5リスペクトがありました。自分・他人・学習・環境・リーダーシップ。中学を卒業するにあたり、この5リスペクトをテーマにした卒論として、中学を卒業する思いを綴ってもらいましたが、一人一人が自分の成長をしっかり振り返ってくれていて、その表現方法には、それぞれの自分らしさがあふれていて、大変読み応えがありました。シアター入り口に並べていますので、保護者の皆様、ぜひ今日の時間の許す限りお読みいただきたいと思います。

私はみなさんの論文を一気に読んで、一つ新しい単語を覚えました。

「ガチ勢」=本気で取り組む人たち、という意味と理解しましたが合っているでしょうか。「不思議ウィークのガチ勢でした」「百人一首のガチ勢でした」と頻繁に使われていたので覚えました。私も使ってみたいと思います。「私はSISラブのガチ勢です」。

この卒論の中には楽しい思い出もたくさん綴られていましたが、印象的だったのは、多くの人が、失敗したことや間違ったことをしてしまったこと、喧嘩をしたこと等について振り返って書いていたことです。たとえば、ある学年の学園祭の取り組みが失敗だったと書いていた人。「その年は失敗ではあったがすごくいい経験だった、そのおかげでリーダーシップの大切さとフォロワーの役目がわかって、次の年にいかせた。」別の人は、「あの時のあの喧嘩、あれは防げたのではないか、とか、テスト直前に慌てるのではなくて事前に準備しておけばよかった、とか、あの試合には勝てたはずではないか、など後悔はあるが、後悔するよりも同じことを繰り返さない努力をすることが大事だと学んだ。」また別の人は、「間違ったことをして罪悪感でいっぱいになったこともあったけど、考えようによってはいい経験。次には同じことをしないようにすればいい、と立ち上がるのを助けてくれる人たちがいた。 」

新しことにチャレンジしているときに失敗があるのはあたりまえ。失敗は何も恥じることではありません。そんなアドバイスをSIS中等部の生活の様々な場面で聞いてきたと思いますが、そう言ってはみてもその時は苦しかったでしょう。悲しかったでしょう。悔しかったでしょう。でも、それらをしっかり振り返って、そこから何を学んだかに今思いを馳せてくれている、そういう皆さんをとても誇りに思いました。

The opposite of success is not failure. It’s not trying.という英語のことばがありますが、成功の反対は、失敗ではなくて、やってみようとしないことだ、という意味です。これからもどんどん恐れず失敗しよう!これが、みなさんの卒論から導き出したスローガン一つ目です。

さて、もう一人別の人の言葉を紹介します。テーマはKY。 

「空気が読めない人のことをKYとよんだりするが、私はこのKYというのは、とても大切な存在だと思う。むしろ尊敬するくらいだ。例えば何か話し合いをしている時に100人中99人が賛成の中、一人だけ反対したら、その人は間違いなくKY扱いされるだろう。ただ私は、このKYの存在こそが議論を発展させる鍵だと思う。もし先ほどの例で、全員が賛成してしまったらどうなるだろう。議論は円滑に進みすぐに片付くだろう。一見良さそうに見えるが、これが大きな落とし穴である。もしそれがとんでもない政策でそれに全員が空気を読んで賛成してしまったらどうだろう?Noという意見をぶつけ議論すること、KYと言われるかもしれない行為を行う勇気こそが周りの人々や環境を考え、尊び、大切に思うということではないだろうか。」

深いですね。5リスペクトで学んだこととしてこのように表現してくれたことをうれしく思います。スローガン二つ目は「これからもどんどん勇気をもってKYしよう!」です。

実は、表現は少々違いますが、多くの人が似た趣旨のことを書いていました。「SIS中等部で自分らしさを知って自信を持って自分を表現することをおぼえた。そして自分とは違う意見や考え方を認めることを学んだ。」と。また、「個性的な人たちからいろんな文化や価値観を学んだ」とも書いていましたね。地球に住む一市民としてとても大事なことを学んでくれていること、うれしく思います。とは言え皆さん、実はまだまだこれは入り口ですよ。やっとステージ1をクリアしたところ。これからの高校生活に、そしてその先の人生には、まだまだ未知の世界が待っています。衝撃の新しい出会いが待っています。まだまだ知らないことは世の中にいっぱいあるのですから、アンテナを貼って新しい出会いをキャッチしてもらいたいと思います。また、自分を知る、とか、自分らしくある、ということについても同じです。自分がまだ気づいていない自分の可能性についても、未知の世界をさらに開拓してもらいたいと思います。

高校時代はステージ2。

SISの高等部に進学する人へ。すでに自分だけの時間割が作られていて楽しみにしてくれているとおもいます。楽しい授業が待っています。もっともっと広く世界を知るチャンスとなる活動の機会もたくさん待っています。自分で決めた研究テーマを深めていくワクワクするプログラムも待っています。「Learning at SIS High School のガチ勢」になってくださいね。そんな皆さんには春休み中の課題を出します。中学生活をしっかり振り返ったところで、SIS生徒としての自分をいったんリセットしてきて欲しいのです。初期化です。そして一緒に高校に上がる仲間たちについても、その人についての知ってることやイメージなどもいったんすべて削除しましょう。喧嘩した記憶ももちろん削除です。4月には海外や他の中学から新しく入学してくる人もたくさん迎えます。その人たちと同じ真っ新なスタート地点に立ってもらいたいと思います。皆さん一人一人を新しく出会う個人=individual として、四月にお迎えする日を楽しみにしています。

SIS以外の高校に進む人へ。 

SISで大切にしている5つのリスペクトは、世界中のどこで暮らしても何歳になっても応用していくことのできるものです。皆さんがSIS中等部での生活で身につけたこと(それはもしかしたらずっと後になって気づくこともあるかもしれませんが)に自信を持って新しい世界で大いに挑戦してください。遠くにいても応援しています。

全ての卒業生の人へ、SIS中等部の卒業おめでとうございます。

2017/3/5 高等部卒業式式辞

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 Class of 2017 卒業おめでとうございます。

卒業証書を手にした今の気分はいかがでしょうか。私も卒業証書を授与するという人生で初めての経験を終え、とても光栄で嬉しい気持ちでいっぱいです。

こうしてみる皆さんは一人ずつ違う色の輝きを放っていてまさに百花繚乱、色とりどりの花畑のようです。着物やドレスやの色のことを言っているのではなく、それは個性の色です。その色はこれまでもいろんな場所でいろんな形で見せてもらいました。つい先日のシアターで、フィールドやジムで、メイプルホールで、台湾で、アジア学院で、キャンベラで、上ヶ原で、三田で、京都国際会議場で、チチンプイプイで、後輩のサポートをしてくれている教室で、東北熊本支援チームで, Tangoで、、、言いつくせませんので止めます。そしてもちろん様々な授業の教室で。(みんなが同じ色なのに、個性炸裂のチームワークを見せてくれた時もありましたね、その時の色はピンクでした)

百花繚乱、色とりどりの花畑のイメージができたところで、一つ、白い花のことを紹介させてください。玄関の外にある木に咲く花です。今日はまだこれくらいの大きさのつぼみです。モクレン。英語ではマグノリア。一番の見ごろがだいたい春休み中になるのでみんなの目に止まる期間が短いのですが、知っているでしょうか。この花は、一億年前から変わらない姿をしているそうで花言葉はなんと「持続性」です。

「マグノリアの木」というお話があるのです。宮沢賢治の短編です。主人公はマグノリアの花を探して旅をします。冷たい霧の中、険しい谷や峰を苦労して歩くのですがなかなか見つかりません。木の根っこに引っかかって倒れたりしてボロボロになって諦めかけたときに平らな丘の上にたどり着きます。そこから振り返った時に、さて、何が見えたと思いますか。苦労して歩いてきた谷や峰一面見渡す限りに、探していた白いマグノリアの花が咲いているのです。これは何を意味しているのでしょうか、そのことを考えながらこの景色を心に覚えておいてくださいね。

3年前の入学式で眞砂前校長は、学びのプロセスについて話されました。皆さんこの3年間、結果ばかりに目を向けることなく、学びの過程そのものを楽しんできたことと思います。SISでの学習や生活を振り返って、一番身につけたと思う力は何でしょうか。もちろんいろいろあると思うのですが、皆さんは、「一人ずつ違う個性を大事にし、自分とは違うものの見方や考え方を認めあう」という力を何よりも身につけてきたと思います。自信を持ってそう思います。そしてそんなあなたたちは私たちの自慢です。

グローバル化が急速に進み、地球的規模での課題を共に解決しようという活動は進んでいます。ところが一方、悲しいことに、今世界の多くの場所で(日本も含めて)多様性に逆行した、閉鎖的・排他的な発言や動向を耳にします。でもだからこそあなたたちの出番です。地球のどこかで起こっている問題に一緒に腹を立てたり、地球全体の課題と言われることに共に苦しんだり、解決のために悩んだり、というSISで取り組んできた事を、これからも続け、さらに深めてもらいたいと思います。ではここで例題です。去年、日本に難民申請をした人は、一万人を超えたそうです。その中で認定された人は何人だと思いますか。答えは28人です。さあ、この数字を聞いてあなたは何を考えますか。

そして、なんと言っても一度しかない人生です。夢は大きく、思いっきり自分らしく生き抜いてください。勇気を持って新しい事にチャレンジです。人類がまだ成し遂げていない事にだって挑戦できますよ。あなたならできる。

任せてください!という表情を見せてくれている皆さんに今言わなくてもいいのしれないと思いながらも、もう一言伝えさせてください。それは、人生いつも順調に進むわけはないということです。壁にもぶち当たる、谷底にも落っこちる、、そんな時のあなたに届けたい言葉はこれです、「生きてるだけで丸儲け。」

さっきのマグノリアの木の話の景色をもう一度思い出してみてください。マグノリアの花を、つまり幸せを求めて苦しい旅に出た主人公ですが、求めていたものは、特別な何かを成し遂げるところに待っているのではなく、毎日の、目の前のことにただただ頑張っていた日々にこそあったということですね。

私は、きついと感じる日にはまず空を見ます。この広い宇宙の中の地球という小さな星で、こうやって命をもらって生きているということそのものが不思議で奇跡的です。命あって、ささやかでも誰かの役に立つことができたのなら、その日一日、生きててよかった、と。それが、「生きてるだけで丸儲け」です。もしもの時のために覚えておいてもらいたいと思います。

最後になりましたが、保護者ご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。

オギャーと生まれたあの日から18年間、この瞬間に、一番懐かしく思いだされるのは、何歳の時のどんな場面でしょうか。お子さまをこんなに立派に育てられたことに対して表彰状をさしあげたい思いです。また、本校の教育へのご理解と力強いサポートをありがとうございました。教職員一同を代表してお礼申し上げます。

Class of 2017。 SISスピリッツを存分に発揮し、後輩に素敵なその背中を見せてくれてありがとう。明日からあなたたちは、SIS生徒ではなく卒業生です。これからは卒業生として、さらに進化していくSISを応援してくださいね。今日まで私たちの生徒でいてくれてありがとう。そしておめでとう。

2016/4/4 入学式スピーチ

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しあわせな人生のために

新入生、編入生の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆さまお子さまのご入学おめでとうございます。

新入生・編入生の皆さん、そろそろ緊張はほぐれてきたでしょうか。一度この入学式の会場をゆっくり見回してみて下さい。SISの入学式にはどんな特徴があるでしょうか。

ひとつの特徴は、たくさんの人がここに集まり、みなさんを祝福しているということです。この場所には今、SISの全ての学年の生徒が集まっています。生徒数が過去最高の510人となり、今年は初めて12年生には二階に座ってもらいました。(二階の居心地はどうでしょうか?)

また、今年はドイツミュンヘン近郊にある姉妹校、Gymnasium Grafingのレスレー先生と11人の生徒の皆さんにも入学式に参列してくださっています。

関西学院院長の田淵先生も間もなく駆けつけてくださいます。

毎日一緒に学校生活をすごすことになるもう一つの学校、OIS/大阪インターナショナルスクールの校長先生Mr Kralovecと生徒代表、そして先ほど紹介したSIS教職員一同がみなさんを心から歓迎しています。

他にも特徴があるでしょうか。そう、会場を取り囲む旗が華やかです。日本の国旗もあります。ほかの国の旗もたくさんあります。日本以外の国籍を持っている人、海外に滞在していた人はその国・地域の旗があるでしょうか。(もしあなたの国の旗が無ければ購入しますので、のちほど必ず教えに来てください。) いろいろな国・地域の旗のほかにもう一つ注目してもらいたい旗があります。会場の後ろ真ん中と正面にあるこの青と白の旗、これは国連の旗です。北極を中心に南緯60度までが描かれた世界地図が平和の象徴であるオリーブの葉に囲まれています。この旗は、国や地域を象徴する他のたくさんの旗とは違って、地球全体を象徴しています。さきほど色々な旗を見ながら、自分はたとえば日本人である、中国人である、とか、ニュージーランドと日本の二つの国籍を持っている、などのことを意識したことと思いますが、それと同時に、この国連の旗を前にしては、私たちは国という概念を超えていわば、「地球市民」あるいは「世界市民」としても生きているのだと意識する必要があります。SISの入学式は国連の世界人権宣言の精神を大切に考えて行っています。

SISの第一回入学式は25年前の1991年4月12日に行われました。その時から今日の第26回目まで生徒数が増えて規模が大きくなっても、基本の精神とこれらのスタイルは変わることなく、発展し、こうしてすっかり本校の伝統となりました。

ところで皆さんに質問です。人生の目的は何ですか、と聞かれたらあなたは何と答えますか。

私は、人生の目的とはしあわせになることであると答えたいと思います。この世から消える最後の瞬間に「ああ、幸せな人生であったなぁ」と思わなくちゃ。なーんだ、あたりまえすぎる答と思ったかもしれませんね。オギャーと生まれた日から、人は、快適で心がほっとできること、を求めて生きているのは当然なことですから。

先月、この場所でSIS高等部の卒業式が行われたとき、卒業生は一人ずつ短い一言スピーチをしたのですが、ある生徒のひとことに私は圧倒されました。彼女はこう言いました。「毎日、今が一番幸せと思える6年間でした」すごいと思いませんか。6年間毎日、昨日より今日が幸せだったと言うのです。6かける365日、幸せ度数の階段を何段上ったのか、、、ということではなく、彼女の、幸せというものをこのように感じることのできる心のありようの素敵さに圧倒されました。幸せな人生を送るためには、まずは幸せを感じる心を持っていなくてはいけませんね。

それにしても、人生の目的が「しあわせになること」だとして、幸せとは何なのでしょう。お金や物に恵まれた状況?恋愛?何よりも大切なのは、先ほどの卒業生のように、幸せをキャッチできる心の持ちようであると思いますが、さてさてでは中学生高校生の時代はそのために何を目指せばいいのでしょうか。

私たちは、もちろんその答えはSISとOISの学校の理念にあると信じています。
Informed, Caring, Creative Individuals Contributing to a Global Community
これも入学式の精神と同じく、創立時から25年間変わらない大切なものです。
Informed=地球市民の一人として、確かな情報をもち、それを分析したり、問題解決のために活用できる人に。
Caring=思いやりのこころ。人の心の痛みのわかる人に。まずは身近な人に対して、そして、地球市民として、世界のどこかの会ったことがない人に対しても。
Creative=創造力、新しいものを作り出すエネルギーを持った人。
Contributing to a global community この地球上で、誰かのために役に立つことを考えることのできる人。

先月卒業した皆さんの先輩の中には、SGHの課題研究論文に取り組み、そのテーマに「しあわせ」を選んだ人が二人いました。正置彩花さんは、メキシコの人がなぜ物質的に恵まれなくても国連の幸福度指数で上位にあるのかについて研究し、「家族や友人とのつながりの深さがその要因である」と述べました。中原琢磨さんは、「しあわせには、自分の欲求がみたされる幸せと、他人の幸せを自分の喜びにできる幸せとの二種類ある。」と論じ、他人の幸せのために努力できる人の幸福度が高いことを示しました。

この二人の論文から、SISの理念、中でも特にこの二つのことば、Caring=思いやりの心、と、Contributing=誰かのために役立とうとする気持ち、が、幸せな人生のための秘訣と言えるのではないかということを教えられます。

明日からの学校生活で、たくさん勉強してください。自分の頭でいっぱい考えてください。いろんな活動にチャレンジしてください。楽しいことや遊びにも全力で取り組みましょう。そして、学んだことや吸収したことを、「思いやりの心を持って誰かのために役立てること」そのことをこのキャンパスで一緒に学んでいきましょう。

今ここから見えるみなさんの顔はキラキラと輝いています。

明日からのSISでの生活が毎日毎日、昨日よりももっと輝いた日になることを願っています。

入学おめでとう。